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2006年11月 3日 (金)

浜田省吾 ON THE ROAD 2006-2007“My First Love is Rock'n'Roll”/ 2006.11.2(木)岩手県民会館 /scene2「家路」

この夜の俺の席は、3階右7列10番。
岩手県民会館の3階席はかなり高いんですよ。
でも、この日の席は左右に張り出している座席。
思ったよりもステージに近い気がしました。
メンバーもよく手を振ってくれたりするしね。

この席がよかったのは、前にさえぎる人がいないこと。
ほんと…目の前はステージなんですよ。
それに1階席のみんなが盛り上ったり、
階下に広がるきれいな照明がよく見えるんですよ。
すごく…贅沢な席だったと思います。
その3階席ならではの“魔法”があったんですよ…

ライブの後半、「初恋」「勝利への道」
「土曜の夜と日曜の朝」「Thank you」「I am a father」
そして「J.BOY」と、たたみかけるようなナンバー…
ほんと…これでもかって感じでしたね。
バンドのグルーブも絶好調でしたしね。
そして、本編最後の曲…「家路」…

以前、書きましたが、特に思いいれの強い曲です。
え~忘れもしない…「ON THE ROAD'85」
俺が19の時の…ここ、岩手県民会館です。
すごくいい席で、確か1階7列ぐらいのド真ん中でした。
このライブで、はじめて「家路」を生で聴きました。
16の冬、アルバム「HOME BOUND」を聴いて、
稲妻が走った俺
が、特に好きだった曲です。

「家路」のイントロが流れた時の感動…
今でも覚えてます。
「ON THE ROAD'85」の本編ラスト近くでした。
前の曲がバラードでみんな座ってたんですよ。
「家路」はピアノひとつで静かに始まるんですが、
途中からドラムとギターがガーンと入るんです。
レコードでは、スティーブ・ルカサーが、
凄いギターのフレーズを弾いてるんですよ。

この日のライブ…俺、その曲調が変わった時、
何の迷いもなく立ち上がったんですよ。
みんな、ここで立ち上がるんだって…思ってました。
でもね…立ち上がったのは…俺ひとり…
前も、隣りも、後ろも…誰も立ち上がりませんでした…

ひとりで目立とうと思ったわけでもなく、
ほんと…無意識に立ち上がったんだけど…
なんか…孤独な感じ…俺だけ浮いてる…
そんな感じで…この長い曲をひとり聴いてました…
今思えば、頭が真っ白になってたんじゃないかな…

次の日かな、大学の同級生の女のコ、
結構かわいいコで、年上の彼と観に来てたらしいんだけど
「あんな曲でひとりで立つなんてセンスない」って言われてね、
なんか、ひどく落ち込んだのを覚えてます。
俺って…ロックとか聴くセンスないのかな…なんてね。

でもね…やっぱり後ろで観てた友達がね、
「おまえが立ってしばらくしてな、
後ろで何人か立ち上がったんだよ。
あの人達を立たせたのは、おまえだよ」って…
それで救われたような気がします。
そう言ってくれたのは、j1やヒーカズだけどね。
覚えてるか?…ほんと…救われたんだよ…

そして今夜の「家路」…
ここ、岩手県民会館で21年ぶりに聴いた「家路」…
3階席から…俺は…あの時の…
19の俺を…探してたんだよね…
階下に…確かにいたんだよ…あの時の俺が…
19の時の…俺が…

浜省を気取って、黒いノースリーブのTシャツ着て、
髪を伸ばして…似合わないバンダナを巻いて…
でもね…あの時と違って、みんな立ち上がってるんだよ…
「RE2O…よかったな…おまえひとりじゃないよ…」
なんか…あの時の自分に語りかけてるような…
そんな気がしました…

あの日、舞い上がって耳に残らなかった「家路」…
苦い想い出のような情景しか残らなかった「家路」…
その「家路」を21年経って、取り返したような…
そんな気がしました…

「家路」…ますます特別な曲になりました。

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コメント

私が観た京都会館と同じ流れ〜勝利への道、聴けてよかった♪家路は二階席だった私は立ちつくすって感じかな〜横の人が後から、家路で手拍子ってのは違うて思うけど、なんか手拍子してしまえる流れだったのは意図かな?と言うのよ。(笑)音感の問題だろ?と軽く答える性格の私。(笑)
ただじっと胸がいっぱいになる感じで聴き入ってました。省吾さん、ありがとう今まで。これからもヨロシクお願いします状態。映像、アレンジされてたねー

投稿: インちゃん | 2006年11月 3日 (金) 01時21分

当然覚えるさっ!今でも目に焼きついてるよ。
「家路」..今、あらためて、聴き直してるけど、胸にジ~ンとくる詩だねっ!マジで鳥肌たったよ、そしてなぜだか涙もね。

投稿: ヒーカズ | 2006年11月 3日 (金) 21時29分

お。俺の記憶に刻まれたリアルロッケンロールなシーンのひとつだ、それは。うん。

投稿: j1 | 2006年11月 4日 (土) 02時38分

★ヒーカズくん、j1くん

85年って、俺達でバリバリ、ライブ行ってた頃だよね。
俺は今もあの頃のままでちっとも成長しとらんが…(笑)
ほんと…リアルロッケンロール…原体験だよな…

投稿: RE2O | 2006年11月 4日 (土) 19時02分

11月2日 1階15列にいた私
「家路」
皆、静かな手拍子を打ち始めたけど、聴き入りたい・・・
私は、時には目をつぶり時には口ずさみながら、曲に身を任せ自分なりに堪能してきました^^

投稿: 緑茶 | 2006年11月 5日 (日) 15時45分

「あんな曲で(あんな?)ひとりで立つなんてセンスない
(なにおおう!)」と一人憤慨してしまいました。
右にならえの、皆と同じ行動じゃなければ不安なのだという
価値観ありありの、その人こそセンスないですよ。
と、思わず突っ込んでしまいましたが、自分が言われたわけでは
ないけれど、かつて似たようなことを行っている人がいました。
その人は逆に、「最初から最後まで座っているのはどうかと思う」
なんて言っていて、それこそ楽しみ方は自由なのにな…と思い、
でも内にしまっておくことができず、↑ということを言って
しまいました(笑)
“どんなに遠くても たどり着いてみせる” 実は今、ちょっと
そういう気持ちでいます。

投稿: 弘進 | 2007年8月13日 (月) 23時47分

★弘進さん

はじめて浜省を聴いたのが『HOME BOUND』で…
あの10曲は、とにかく繰り返し繰り返し聴きましたからね。
その中でも特に魂を奪われたナンバーが「家路」だったんですよ。
ライブので、ある意味「J.BOY」以上の重要な位置になったのって、
ここ10年ぐらいですよね…
歌を作った当時より、今の方が浜省自身にあうんだろうね。
NHKホールで観た、空と道がどこまでも続く映像を思い出して、
そんな風に感じています。

“どんなに遠くてもたどり着いてみせる”
そんな思いからは、なんか遠く離れちゃったな…
俺もケリいれなきゃダメだな…(笑)

しかし…なにおおう!って憤慨してくれてサンキュー(笑)

投稿: RE2O | 2007年8月14日 (火) 05時18分

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