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2006年11月13日 (月)

明日の記憶

D0129244俺、ライブってガンガン行く割りに、映画ってそうでもないんですよ。盛岡には映画館通りもあるのに、もったいないですよねえ~(苦笑) 映画でも、DVDでも、観たくて観たくて観るものより、これは観とかなきゃならないって思って観る方が多いな…観なきゃならないと思う理由ってのも、いくつかあるんだけど。
「明日の記憶」…これも観なきゃならない…しかも…今…今、観なきゃ…そう思って観た作品です。

渡辺謙演ずるキャリアバリバリのサラリーマンの佐伯が、
若年性のアルツハイマーになるんですよ。
本人の葛藤、苦悩、苛立ち…職場の同僚の戸惑い、支え…
医師の協力…家族の愛情…そして…壮絶なたたかい…
そう…生きてくためには…生き抜くためには…
本人も…それを取り巻く人達も…
否が応でも、たたかわなきゃならない…
そんな思いを…強く…強く感じた作品でしたね。

たたかう…っていうのは、もちろん武器をもってとか、
敵に向かってたたかうっていうんではないですよ。
自分自身だったり、これまでの価値観だったり…
きついのは…時に…愛する人を思いやる心とも…
たたかわなくちゃらなかったり…そして…明日とも…
そして…たたかうためには…愛がなくちゃたたかえない…
そんな…そんなことを感じましたね。

佐伯が娘の結婚式の謝辞で、まるで自分自身に語るように、
言葉をひとつひとつ紡いでくシーンに、こみあげてきて…
その後、佐伯が会社を辞めるとき、同僚が自分の名前を書いた
写真を佐伯に手渡すシーンで涙がこぼれてしかたなかったですね。
俺、ウルウルってくる方なんだけど、涙を流すってあんまりなくて、
あんなの…4年前の職場の同僚の告別式以来だな…

心に残るシーンっていうのは…ほんと…いっぱいあって。
佐伯がアルツハイマーだって診断されて、病院の階段で
樋口可南子さん演ずる妻の枝実子と泣き崩れるシーンとか…
我慢がこらえきれず、枝実子と佐伯が壮絶なケンカをするシーン…
そしてラスト…佐伯が最愛の妻のことすら忘れてしまうシーン…
すごく、心臓のあたりが痛むシーンだったんですよ…
でもね…そこでは、なぜか…いや、やっぱり…泣けなかった…

俺、身内への情ってうすいのかなって、時々思うんですよ。
第三者への思いの方が強いのかな…って…
なんかねえ~、観終わった後、自分がヤになってねえ…(苦笑)
でも、身内への思いってさ…あまりに“生”なんだよね…
だから、友達だったり、同僚だったり、清志郎だったり、
CHABOだったり…その方が素直になれるのかな…
そんな風に思ったり…ね…

大滝秀冶扮する陶芸家が山奥でひとり暮らしてて、
佐伯がひとり訪ねるシーンがあるんだけど、
その陶芸家もアルツハイマーなのね…
でもね…すごく幸せそうなんだよね…
自由なんだよ…生き生きしてるんだよね…
それは、社会とか、家族とか、そんな不自由なものから
解き放たれた者がもつ…何にも変えられない…自由…
それがそこにはあるんだよ…あったんだよ…

あんな陶芸家のじいさんのような暮らしをできたら…
あんな陶芸家のじいさんのような暮らしをさせてあげられたら…
でもね…俺達が…いや、俺達で逃げちゃいけないな…
俺が住んでる、このやっかいな社会ってやつは、
そんなじいさんのような暮らしを…許しちゃくれないんだよ…
もしかしたら…許してくれるとこがあるかもしれない…
でもな…そこに解き放つことは…俺には…
今の俺には…できないんだよ…できないんだよな…

やば…すごく、個人的になってしまった…いかんいかん…(苦笑)
とにかく、すごくいい映画…美しい映画だと思いましたよ。
重たい状況なんだけど、重く重く描いてないし。
風景とか、人物とか…それは、不自然なくらいに美しい…
この映画は、人の心を、すごく丁寧に描いてましたね。
そのためには、リアルすぎる風景じゃ、描けないんだと思う。
だからあんな美しさに…観ていて救われたんだよね。

誰が言ったんだっけ…戦争映画のどんなリアルなシーンも、
戦場の臭いを描いていない…って。
戦争映画に臭いがついたら誰も観にこないだろうって…
この映画にも同じことを感じたな…
この映画には臭いがないんだよ…でも、それでいいと思った…
“リアル”は現実だけで十分すぎる…ってね。

観なきゃならない…そう思って観たけど、観て正解でした。
レンタルで借りてみたんだけど、きちんとDVD買おうかな…
そう思いましたね。それぐらい、大事にしたい作品でした。
原作って、どなたか読まれた方います~?
きちんと読んでみたいな…そう思いましたよ。
たまには、R&Rだけじゃなくて、映画や本の話しも…ね…(笑)

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コメント

>身内への思いってさ…あまりに“生”なんだよね…

オレもその気持ちってよくわかるよ。っていうか、自分や身内がそういう状況になったら泣いてる余裕すらないと思うんです。身内のことって、たとえ映画でもそういうリアルな切迫感があるから、僕も泣けません。

余談になっちゃうけど、オレの知り合いに知的障害者の子供を持ったお母さんがいるんです。誤解を招く発言かもしれませんが、オレ、その子と接してるとすごく癒されるんですよね。人間って成長していくにつれてどうしたって狡さとかが身についてきちゃうじゃない。子供だってそう。大人になるってのは、ある意味何かを失うことでもあるからね…。でも、その子はそういうのが一切ないの。本当に、赤ちゃんがそのまま少年になったような感じなんです。接してると感動しちゃうんだ、あまりにも純粋で。まるで天使みたいな子だなあって思うんですよ。
だけど、当のお母さんはそんなこと言ってられないよね。自分も仕事してるし、きっと毎日必死で生きてると思うんです。
いくら奇麗事言っても、そのお母さんの本当の気持ちは、僕にはずっとわからないだろうなあ…。
でもね、それでいいんじゃないかとも最近思ってるんです。だって、偏見なんか持たず、普通に僕や僕の子供がその子と関わっていくことの方が、変な同情心を持つことより、よっぽど大事なことじゃないかなあ、なんて…。

うーん、なんか重い話になっちゃったね…。ゴメン。

投稿: Y.HAGA | 2006年11月14日 (火) 10時21分

★HAGAさん

いえいえ。重い話しにつきあってくれてサンキューっ!
重い話しっていうか…生な話しだよねえ~。
俺も自分の親父が他人だったら、
すんげえリスペクトしてる気がするんだよね。
「北の国から」の五郎みたいなもんだからね…(笑)

HAGAさんの感覚…すんげえ、よくわかる。
まだ、きちんと整理して書けないけど、いつか…ね。
障害って言えば、覚えてるかな…
昨年のARABAKIに連れてった両腕のない俺の後輩。
アイツはねえ、全然純粋じゃないんだなあ~(笑)
ものすげえ~俗物っ!そこが好きなんだけどね。
この前のプライベーツのライブにも連れてってさ、
のぶちゃんにハグされて喜んでたよお~(笑)

投稿: RE2O | 2006年11月14日 (火) 22時35分

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