ア・シ・オ・ト / よしだよしこ
一週間前の七夕の夜に買ったよしだよこさんのアルバム『ア・シ・オ・ト』を聴いています。よしこさんの声…丁寧に選ばれた言葉達…聴いてると、背筋がピンと伸びるような…そんなアルバムですね。これから先、ずーっと付き合ってく友達に出逢っちゃったような、そんなアルバムですね。
「道ばたでおぼえた唄」でアルバムは始まるんですが、
ライブでもダルシマーという楽器を奏でながら歌ってくれました。
アイルランドの吟遊詩人オキャロランが生まれて始めて書いた曲の
カバーらしいんですが、“唄うたい”のよしこさんが、
なんでこの曲を選んだってことが素敵だと思いましたねえ~。
聴いてるうちに、目の前の景色が変わるんですよねえ~。
遠いどこか…名前も知らない吟遊詩人の歌声が、
風に乗って聴こえてくるような…そんな風景になるんですよ。
“見知らぬ人と唄をわけあう旅”ってフレーズがあるんだけど、
よしこさん自身の生き様と重なってますよねえ~。
ライブでは石川逸子さんが書き下ろした曲を演ってくれましたが、
このアルバムには「吹いていった風」って曲が入っていました。
詩集『子どもと戦争』に収められている原題「風」という詞に
よしこさんが曲をつけたナンバーです。
遠くのできごとに
人はやさしい
(おれはそのことを知っている
吹いていった風)
近くのできごとに
人はだまりこむ
(おれはそのことを知っている
吹いていった風)
遠くのできごとに
人はうつくし怒る
(おれはそのわけを知っている
吹いていった風)
近くのできごとに
人は新聞紙と同じ声をあげる
(がみ)
(おれはそのわけを知っている
吹いていった風)
遠くのできごとにうつくし怒る…
近くのできごとに新聞がみとおなじ声をあげる…
それって、俺のことじゃん…そんなことを感じましたね。
石川逸子さんの言葉…一週間前にはじめて出逢ったんだけど、
本当の詩人に出逢ってしまった…そんな感じです。
その言葉をキャッチして歌にするよしこさんも凄いけど…
高田渡さんと共作のインストルメンタル「巻き毛のベイビー」、
タイトル曲の「ア・シ・オ・ト」が続くんですが…たまらないです。
よしこさんの渡さんへの想いが、やさしく伝わる…そんな曲です。
渡さんは亡くなる少し前に、盛岡で観ることができたんですが、
その時の渡さんの歌…姿…そんなのがよみがえってくるようです。
このアルバムはタワレコとかじゃ売ってなくて、
よしこさんのサイトか、ライブ会場でゲットするしかないみたい。
ぜひ、全国のライブ会場で、みなさんがこのアルバムに
出逢うのを願っております。
そんなよしこさん、今は奄美諸島のツアー中なんですよねえ…
台風の影響をモロに受けてると思うんですが、
旅のご無事をお祈りしております。
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コメント
ふむふむ。
アルバム、聞いてみたいです。
CDやさんでは売っていないのですか。
ほんと、ツアー、台風で大変。。
早く台風が去りますよう。
投稿: nobu | 2007年7月14日 (土) 23時45分
★nobuさん
そろそろ、そちらは暴風域じゃないですかあ~?
こっちはまだ降ってないんですが、イベント延期です。
よしだよしこさん、機会があったらチェックして下さいねえ~。
投稿: RE2O | 2007年7月15日 (日) 10時19分
俺のロックの感受性によしだよしこさんのこの詩、なんか響いてます。ギターを抱えるジャケもガツンときますよ。帰省したら是非、聴かせてねっ!
投稿: ヒーカズ | 2007年7月15日 (日) 17時54分
「吹いていった風」、素敵な詩ですね。
アイルランドの詩人の唄も、とても気になります。
どっかで聴いた話ですが、アイルランドと日本って、音楽や文化なんかに結構共通点があるんだとか。それでいっそう、心に響くのかもしれませんね。
こちらはまだ風は強いけど、雨はほとんど止みましたよ。
投稿: ayako | 2007年7月15日 (日) 20時40分
★ヒーカズくん
うん。来月は、もうお盆だもんねえ~。
彼女のギターもいいんだよね。
ヒーカズが聴くと、何かを感じてくれると思うよ。
★ayakoさん
石川逸子さんの詩をWebで何篇か読んだんだけど、
凄かったな…図書館で探してみようと思ってます。
オキャロランは盲目の吟遊詩人みたいなんだよね。
よしこさんがキャッチする人達は、すごく興味そそられます。
台風は岩手をかすめた程度のようです~。
投稿: RE2O | 2007年7月15日 (日) 20時58分