2007年8月 6日 (月)

愛の世代の前に / 浜田省吾

A07_2今年、長崎市長が狙撃された後や、久間防衛相の「原爆はしょうがない」発言の後、浜省はライブで「愛の世代の前に」を歌ったそうです。広島出身で、父親も被爆者の浜田省吾…「彼はいつまでこの歌を歌わなければいけないのかな…」そんなメールを友達からもらいました。愛の世代の前の一瞬の閃光…か…

平和宣言で核保有国のリーダーを「時代に遅れた少数の指導者」
と言い切った秋葉広島市長に心から敬意を表したいと思います。
そんな「少数の指導者」に尻尾を振るのは、やめにできないかな…
安倍さんのあいさつがすごく薄く感じちゃいました。

今日の盛岡も暑かったけど、あの日の熱さの比じゃないんだよね…
いつか行かなくちゃな…ヒロシマ…

「愛の世代の前に」の歌詞はこちら
浜田省吾自身のアルバム解説はこちら

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2007年6月17日 (日)

浜田省吾 ON THE ROAD 2006-2007“My First Love is Rock'n'Roll”/ 2007.6.16(土)NHKホール

P6163641まさか行けると思わなかった、浜省のNHKホールに行ってきました。
渋谷では、浜省のライブで代々木体育館、CHABOでAX…
NHKホールでのライブは生まれてはじめてであります。
ここで大晦日で小林幸子がすごいことになってんだあ…(笑)
後は渋公でライブを観れば、あの界隈は制覇だな…(笑)

昨年11月に盛岡で観て7ヶ月、いい感じでツアーを続けてるのが
ビシビシ伝わってくるいいステージでしたね。
ライターの田家秀樹さんがこの日のライブを“完成形”って
言葉で表してましたね。言い切ってるよ…田家さん…(笑)
そうそう、昨日はビデオが入ってましたしねえ~。
ホールにあんなにビデオの機材入ってるのはじめて見ましたよ。
この日のビデオ作品、今から楽しみですね。

昨日はバラードでは「紫陽花の歌」がよかったですね。
これはベストにも入ってるんですが、俺、今までそんなじゃなくて…
きれいなメロディーだと思ってたけど、あの日本的情緒が、
どうも俺のイメージする浜省の歌と違って聴こえてたんですよね。
でもね…なんでだろ…季節のせいかな…それともライブの少し前に、
紫陽花の花を見たからかな…歌がスーーーーっと入ってきましたね。

久々に聴いた「BIG BOY BLUES」は燃えましたねえ~っ!(笑)
いつ以来だろ…10年以上ぶりに聴いたんじゃないかなあ…
長田のギターが入って、ますますよくなった感じがしました。
長田と言えば、この日の長田はキテましたねえ~。
風体も、サウンドも、アクションも…ビデオ意識してたのかな…(笑)

本編ラストの「家路」…もともと、この曲は好きなんだけど
この日は、俺がはじめて「家路」を聴いた時の…そんな感じでした…
盛岡ではPVの映像が流れてたんだけど、
この日は、どこまでも続く道と、どこまでも青い空と、
どこまで走ればたどり着けるのか…遠い遠い地平線…
なんかね…自分の立ち位置っていうか…自分の人生…
普段は感じないんだけどね…(笑)…重ねちゃいましたね…

三度目のアンコール「日はまた昇る」もうれしかったな…
でも、俺の中のハイライトは、二度目のアンコールの
「君と歩いた道」と「ラストダンス」ですね。
なんでだろ…あの満天の星空のようなミラーボールに包まれた…
すごく不思議な時間を過ごした…そんな感じでしたねえ~。

終演後は、ライブで出会ったみんなと渋谷のアイリッシュパブで
おいしいビールを飲むことができました。感謝ですっ!
いい気持ちで、夜行バスの発着場所東京駅に向ったんですが、
山手線で寝過ごしちゃって、気づいたら「上野~」…やばっ!
ダッシュで逆方向の山手線に飛び乗って、再び東京へ…
「盛岡行きバス発車します」のアナウンスの中、ギリギリセーフっ!
そんなオチまでついた俺の「ON THE ROAD」でしたあ~(笑)

さあ~て、CHABO×伸ちゃん、そして、浜省…
こんな素晴らしいライブを観ることができて、本当に幸せですわ。
最高の友達たちとも再会を果たすこともできたしね。
明日からは、グッドミュージックに満たされながら、
昨日までの夢を日々の暮らしにまぶして過ごそっ!

P6163645ツアートラックのカケラを発見…(笑)

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2006年11月 6日 (月)

誇り高く生きよう

昨日まで、浜省ライブモードで一気に7話連続…
自分でも、この想いに驚くやら…あきれるやら…(苦笑)
今日からレギュラー・プログラムで行こうかなと思ってて、
昨日のサンソンの「珍盤奇盤特集」を書くつもりだったんですよ。
でもね、HAGAさんの「誇り高く生きよう」を読んで方向転換…
今の勢いじゃなきゃ、書けそうもないんでね…(笑)

802 HAGAさんの想い…父としての想い…読んでてね、この前の浜省のライブのあるシーンが鮮明に蘇るんですよ。それは「MY FIRST LOVE」に収められてる「I am a father」。
シングルカットされた曲で、プロモには時任三郎が出てたやつです。アッパーでストレートなR&Rナンバーです。

俺…この「MY FIRST LOVE」って最新アルバムは、
浜省の最高傑作だって思うくらいの名盤だと思ってます。
リリースされて1年くらい経つけど、全然色褪せないんですよ。
このアルバムのことは近いうちにここでも書きますね。
でもね…この「I am a father」は、どうもしっくりこなかったんですよ。

浜省って、すごくリスナーのことを知ってるんですよね。
自分のリスナー達の年代や、抱えている問題や…
そんなリサーチ力って…ほんと…凄いと思うんですよ。
それを感じたのは、94年にリリースされた「星の指輪」。
小さな子どもを抱えて、二人でデートしたりライブに行ったり
しなくなった夫婦のことを描いたラブソングです。

最初は単純にこの曲が気に入ったんですよね。
でもね…何がきっかけなのかな…
この曲って、浜省がリスナーに媚びてつくった歌に聴こえたのね。
浜省自身がこんな感情を抱くわけないよな…って。
浜省が職業作家なら、そんな曲をつくってもいいと思ったの。
でもね…少なからず自分自身を切り刻んで歌を紡ぐ彼が
つくる歌じゃないんじゃないかって…

「I am a father」も、「星の指輪」と同じ印象を持ったんですよ。
浜省自身も、子どもがいないし、父親じゃないしね。
浜省のファン層の大多数を占める30~40代って、
実際、圧倒的に父親だったり母親だったりすると思うのね。
そんな父親世代に媚びた曲をつくってるのか…そう思ってました。

でもね…この前のライブでこの曲を聴いて思ったんだ。
この曲のイントロにあわせて、浜省が、
会場の…おそらく父親達に向って指を指してる姿を見て…
それに歓喜する…このライブで最高の歓声を聴いて…
この曲って客に媚びてるんじゃない…本物だ…ってね。
そう言えば昨年、渋谷陽一もこんなこと言ってたっけ

今年リリースされた浜省のベストアルバムって、
彼の代名詞のように言われるプロテストソングって入ってないのね。
「マイホームタウン」とか「愛の世代の前に」とかね。
でもね、この「I am a father」って曲が、
今の時代の浜省なりのプロテストソングなのかな…そう思うね。

  TVニュース観るたびに 子供達が巻き込まれた事件
  ドアの外 すぐそこまで近づいてること感じて眠れない
  嘆いてる暇なんか無い 命がけで守る

  子供が幼く尋ねる「何故人は殺し合うの?」
  抱き寄せ 命の儚さに熱くなる胸の奥…

  迷ってる暇なんか無い 選んだ道進む
  明日は今日よりも良い日になことを信じてる
  かつて夢見る少年だったこのオレも今ではFather.

子ども達…だけじゃないけど、俺達を巻き込む事件ってさ、
戦争だったり、テロだったり、原発だったり…それだけじゃないよね…
何かに切れて人を殺めたり…性のはけ口の延長で傷つけたり…
あるいは…周囲の言葉の暴力で自らの命を絶ったり…
そんなことへの浜省なりのプロテストソングじゃないかって…

俺も浜省と同じで、子どもがいないけど…
HAGAさんの書き込みを読んだり、
ライブ会場での俺と同世代の父親達の想いを感じながら、
ふさぎこんだり、落ち込んだりしてる場合じゃない…
日常の中で戦ってる同志の熱い想いを感じたんだよね…

HAGAさんが以前書いてた、シオンの「通報されるくらいに」
 
  枕元を 警笛を鳴らして 急行電車が走り抜ける
  向かいのビルは 今日も工事中 悪くない朝だ
  足元では 5つになる猫が すっとんきょうな顔して寝ている
  もうしばらく こうしていたいけど やることがあるんだ

  ほら 通報されるくらいに ぶっとばすぜ

  時間はまだあるからって そうゆっくりしてられないんだ
  時間はまだあるからって そうゆっくりしてられないんだ

この曲にも同じような熱さを感じるんだよね。
俺は今年の2月のティアラ・ロックフェスではじめて聴いたんだけど、
いやしとか…脱力とか…そんなのに流されがちの自分に…
おい待てよ…休んでる場合かよ…そう語りかける曲なんだよね。
浜省の「I am a father」も、シオンの「通報されるくらいに」も…
まあ、そうは言っても、張ってばかりも生きられない俺には、
CHABOの「男もつらいよ」が心地よかったりするんだけど…(笑)

なんかね…清志郎の「誇り高く生きよう」もそうだけど、
俺達…“誇り”って、どっかに置いてきてたのかな…
そんな風に感じたんだよねえ~。
でも“誇り”って、そんなに堅苦しいもんじゃないんだよね…
“口ぐせのような ありふれたラブ・ソング”だったり、
“風に消されそうな ちっぽけなラブ・ソング”だったり、
“額が床に付くくらい頭を下げて毎日働いてる”日々の中に
きっとあるんだよね…俺達の“誇り”って…

  Yeah 誇り高く生きよう 君のために
  Yeah 誇り高く生きよう 君のために

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2006年11月 5日 (日)

浜田省吾 ON THE ROAD 2006-2007“My First Love is Rock'n'Roll”/ 2006.11.2(木)岩手県民会館 /scene7「ラストダンス…ふたたび」

岩手県民会館は2Daysだったんですが、
俺が行ったのは初日の2日だけ。
考えてみれば盛岡の2Daysっていつも初日だな。
今回は行こうと思えば2日とも行けたんだけど、
すごく観てほしい友人達に譲りました。

2日目は、その友達と一緒に盛岡案内。
県民会館横の中津川沿いを車で走ってたら、
「あれ…古村…」…ジャージ姿で散歩中でした。
車の窓を開けて「昨日、よかったですよ~」って。
しかし…あまりにも近所の人の散歩ルックでした~(笑)

ライブ後に一緒に飲みに行くことにしてたので、
終演の少し前に県民会館の駐車場にいったら…
ライブの音が漏れてきたんですよ。
アンコールの「MONEY」でしたっ!
前日の興奮がよみがえってきましたねえ~。
アンコールで「MONEY」って、はじめてじゃないかな…

そのまま駐車場にいたんだけど、オーラス…
「ラストダンス」が聴こえた時には…
前日の情景がね…フラッシュバックして…
ホールで聴いた時以上の…感慨が込み上げて来て…
ほんと…俺にとっての“アンコール”でしたね…

 もう一度 踊っておくれ このままで

気付いたら、5夜連続で“scene7”まで来ちゃいました。
ほんと…浜省に興味ない人…ごめんなさい。
浜省好きな人も、うんざりですよねえ~。
でも、ほんと…想いが溢れる夜でした。
今回のライブはこれでフィナーレにします。

素敵な夜を…どうもありがとう…

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浜田省吾 ON THE ROAD 2006-2007“My First Love is Rock'n'Roll”/ 2006.11.2(木)岩手県民会館 /scene6「生まれたところを遠く離れて」

Pb02302411月2日の盛岡の朝は、すごく冷え込んだんですよ。
早く仕事を上がるために、6時台には家を出たんですけど、
車のフロントガラス…朝露で濡れてるかと思ったら、
なんと霜がギッシリ…初霜の朝だったんです。
最低気温が氷点下0になりました。
寒い分、すごく天気もよくてね…そんな日のライブでした。 Pb023026

前の日に…いや、前の日にはじまった話しじゃないんだけど、
かなりヘビーな出来事があって…
ライブに行けるかもわからなかったんだよね。
いや、物理的にはライブに行けても、
ライブに行って自分が楽しめる状況かわからなかったんです。
そんな心境を…この日の冷えた青空が救ってくれた気がしました。

いつもならライブの何日か前からテンションがあがるんだけど、
今回はね…ほんと…職場を出るまではそんな気になれなくてね…
でも、会館裏のツアートラックを見たあたりから、
すごく自然にライブに入っていけるテンションになってきて。
3階席の何も遮るものがないポジションも手伝って、
いつものように…いや、いつも以上にライブに入り込めました。

ライブの中盤、「君に会うまでは」「散歩道」の
アコースティックセット…すごくよかったですよ。
その後、70年代初期の映像をバックに、福ちゃんの語り…(笑)
「ON THE ROAD'88」の「戦士の週末」を髣髴させるような
バーのセットと、浜省の小芝居をはさんでの「路地裏の少年」。
そして、この後の一曲が、間違いなく俺のハイライトでした。

「生まれたところを遠く離れて」
ファーストアルバムに収められてるナンバーです。
ファーストは76年。音も歌も演奏も重たくてね。
何年も聴いてなかったんだけど、何年前だろ…
拓郎の「イメージの詩」をカバーしたシングルの
カップリングでリメイドされたテイクで久々に聴きましたね。

コジやんのピアノをフューチャーした、ブルーズなテイクでね。
すごくよく生まれ変わってたんだけど、
この楽曲そのものが持つ“重さ”には変わりなかったんですよね。
ベストにも収められてるし、浜省にとって大事な曲ってのも
わかるんだけど、いつ聴いても長いな…なんて思ってたんですよ。

でもね…この夜はねえ…この曲…あっという間だったんですよ。
ほんと…こうやって書いてるだけで、鳥肌たってきます…
その理由って、俺にはふたつあるんですよね。

ひとつは、バックのスクリーンに映し出される映像。
浜省の幼い頃の写真と、彼が育ってきた時代の写真が、
時代に沿ってスライドのように映し出されていきます。
先月、渋谷AXでのCHABOのライブも似たような構成でしたが。
はじめはね…ほんと…歌のバックの映像として映ってたんですよ。

幼い頃の写真から、愛奴、ソロでデビューしてた写真になり、
やがて70年後半から80年代の写真に移り変わっていきました。
長い曲にあわせてなんで、ほんと一年一年を何枚もの写真で
ゆっくりと、ゆっくりと、ふりかえっていきます。
そこに映し出された写真は、どれも俺が知ってるものなんだよね…

「GB」とか「ミュージック・ステディ」とか「ブリッジ」とか、
最近は買わなくなったけどコンサートパンフとか、
レコードのジャケットとかで見て来た写真だったんだよね。
雑誌を切り取ってクリアケースに入れてた写真もあったり、
部屋にポスターで貼ってたようなやつもあったり。

浜田省吾を…どれだけ自分が好きで聴いてきたか…
どれだけ聴きこんで…“だんぜん、浜田省吾だった”か…
それを改めて思い出させるような時間になりましたね。

はじめて「HOME BOUND」を聴いて稲妻が走った16の冬…
新調したイクシーズのブルゾンで挑んだ初めてのライブは83年…
ひとりきりで立ち上がって「家路」を聴いた85年…
俺にとって一度きりの野外ライブ、91年のみちのく湖畔公園…
センターステージに喚起した「ON THE ROAD 2001」…

俺、浜省から遠く離れてたな…
そんな風に思ってた頃もあったんだけど、そんなことはなかったね。
いつも、浜省を聴いてたんだ…改めてそんな風に思いましたね。
浜省の切抜きを下敷きにはさんでた“あの頃の僕”は、
今でも“夢中で追いかけて”て、こうして書き殴ってるんだもんね…
そんな自分の“MY FIRST LOVE”と向かい合う時間でしたね。

もうひとつは、俺の親父のこと。
「生まれたところを遠く離れて」を歌う前に、
「自分の両親にあてた歌です」って、確か言ったと思うんだ…
俺が、この曲を遠ざけてた理由って、そのことなんだろうな…
「DARKNESS IN THE HEART」を、あまり聴かなかったのも、
きっと…俺と親父の“距離”とだぶるからなんだろうな…

俺がライブに行けるかわからなかったのも、親父のことなんだけど…
ここでは詳しくは書かないけど、ごく私的な自分の想いが、
この日、この曲と、見事にリンクしちゃったんだよね…

“親父も16の時から 働いて 働いて 働いてきたけど”
そんな歌詞があるんだけど、自分の親父と見事に重なるんだよね。
東京で空襲にあって…ほんと…命からがらだったと思う…
それからも、高度成長の時代の波に乗れなかったのか、
それとも乗らなかったのか…時代をまったく無視した生き方…
ほんと…不器用な生き方で、俺を育ててくれて…

貧しい暮らしだったけど…恥じることなく受け入れられたのは、
親父…あんたの不器用なまでの、誇り高い生き様を…
そんな親父の背中を見て生きてきたからなんだと思うよ。
でもな…この時代の中で…居場所を探せずにいるあんた…
「静かに暮らすいらつき」を誰よりも感じてるはずの親父…
そんな親父のことがね…やっぱり、だぶったんだよね…

今回の「ON THE ROAD 2006-2007」を思い出す時、
間違いなくこの「生まれたところを遠く離れて」が…
その時によぎった想いが…フラッシュバックするんだろうな…
「A PLACE IN THE SUN」「初恋」「家路」「ラストダンス」…
ほんとに…忘れられない…特別な一夜になりました。
浜省とバンドとスタッフに…心の底から感謝ですね。
Thank you !

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浜田省吾 ON THE ROAD 2006-2007“My First Love is Rock'n'Roll”/ 2006.11.2(木)岩手県民会館 /scene5「勝利への道」

Pb023029  今日はバンドの話しを。
今回のバンドは「ON THE ROAD 2005」からのメンバーです。

浜田省吾 Vo.G
町支寛二 G
長田進 G
美久月千晴 B
福田裕彦 Key
小島良喜 Key
古村敏比古 Sax
小田原豊 Dr

「2005」を、グランディーで観た時は、凄腕揃いだけど、
そつなくこなしてる印象だったんですよね。
演出的にも、演奏的にも、「2001」のアリーナツアーを
踏襲しているイメージがあったしね。
それが今回は、見事にバンドらしくなってましたねえ~。

後半の「勝利への道」のグルーブなんて最高でしたね。
この曲はベストでリメイドされて生まれ変わったんだけど、
ライブで聴くと、このメンバーじゃなきゃっ!って音でしたね。
小田原のドラムロールからスタートするんだけど、
この曲は小田原じゃなきゃ…そう思ったナンバーでしたっ!

「Thank you」も気持ちよかったですねえ~。
町支の重たいリフに、小田原のドラムと、
美久月のベース、福ちゃんのオルガンが重なって、
長田のギターがうねるように泳いでく…
想像しただけで背筋がゾクゾクしちゃいますね。

俺の秀逸は、長田のギターですねえ~っ!
長田は、元春のハートランド、民生バンドでずっと観てて、
昨年、浜省のバンドに加わるって聴いたとき、
え~?…長田のギターって浜田のライブにあわねえだろ…
そんな風に感じてたんですよね。
実際、「2005」の時は、無難にこなしてた感じがしたしね。

いやあ~今回の長田は凄かったねえ~。
実は、長田のギターって、浜省の音に見事にはまりますね。
って言うか、長田のギターでバンドが生まれ変わった感じ。
カッティングもいし、シールド引きずってるのもいいしねえ~。
「光と影の季節」「生まれたところを遠く離れて」「初恋」
このあたりは、長田のギターじゃなきゃ…って感じですね。

そうそう、メンバーのポジショニングも変わったよね。
一番上手側って、町支の立ち位置だったんだけど、
今回は長田だったもんねえ~。
町支はワイヤレスだから、縦横無尽に動いてたし、
あの立ち位置も、今のバンドにはベストの気がしたなあ~。

「家路」のことを書いたけど、去年からのアレンジで
後半で町支と長田のツインリードのソロがあるのね。
昨年はしっくりこなかったし、ベストのリメイドでも、
あそこはなんか違和感があったんですよね。
それが今回のプレイでストンと落ちたんですよ。
「家路」のソロは、俺の今回のライブのハイライトですね。

一人一人のこと書いたらキリがないんだけど、
浜省のバックじゃなくて、本物のバンドの気がしたなあ~。
何の曲のときだろ…コジやん、福ちゃんのとこで弾いてたし。
おいおい…はしゃぎ過ぎだぞ~…って、思ったくらいです。
欲を言うと、このメンバーでのライブ盤で聴きたいなとっ!
25年ぶりで、ライブアルバム「ON THE ROAD」をぜひっ!

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2006年11月 4日 (土)

浜田省吾 ON THE ROAD 2006-2007“My First Love is Rock'n'Roll”/ 2006.11.2(木)岩手県民会館 /scene4「初恋」

アンコールから書き出して、話しが飛び飛びですみません。
興奮した勢いのままで書き始めたものですから…(苦笑)
ライブの曲順とは無関係に心象スケッチを綴っていきます。
話しがあっちこっちに飛んでいくのは、お許しください…
って、今に始まったことじゃないかあ~(苦笑)

あ…昨日の書き忘れです。
浜省のライブは映像がつきものなんですが、
このツアーのオープニングもスクリーンいっぱいの映像からでした。
美しい雲や空…やがて映像は日本の風景に移ります。
あの景色…今になって思ったんだけど…多分、広島なのかな…

海沿いを電車が走るシーンがあるんだけど瀬戸内の海かな…
あれは幼い頃の“浜田省吾”の原風景なのかな…そう感じてます。
だから、オープニングは“はじめて歌ったR&B”の
「A PLACE IN THE SUN」だったんじゃないかな…
30年っていう節目のライブに、ふさわしい映像だったと思います。

浜省のライブの映像や、いろんな写真って、
以前は、アメリカやメキシコ…が多かったと思います。
ここではない遠くのどこか…なんだよねえ。
出てくる人達も、アメリカ映画に登場するような感じで…

最近は結構、日本の風景や情景も使われてますよね。
プロモ…あんまり見ないけど(苦笑)…もそうですよね。
「I am a Father」や「君と歩いた道」も、日本が舞台ですし。
登場人物たちも、等身大の…どこかにいそうな人達です。

以前、渋谷陽一が「浜田省吾はバタくさい」みたいなことを
よく言ってて、「歌詞に英語が多い」とかね。
最近の浜省が描く主人公は、“俺達”に近くなった気がします。
映像にしてもそうですよね…すぐ近くの気がします。
まあ、渋谷の影響じゃないんだろうけどねえ~(笑)

今回のライブの中盤のショートムービーも、舞台は日本でした。
少年がレコード盤に針を落とすシーンから始まります。
口ずさむのはスティービー・ワンダーの「A PLACE IN THE SUN」。
浜省自身の幼少時代とだぶらせてるんだよなあ…

主人公の少年が転校生だったり、
スティービー・ワンダーが好きだったり、
番長風のガキ大将と決闘をするシーンがあったり、
浜省が小学校で転向してた頃、ガキ大将と
ビートルズの曲を何曲知ってるかで対決したらしいんだけど、
その辺のストーリーがベースになってるんだと思いました。

少年の隣りの席になったコに恋に落ちる…
恋って言っても、小学生の…ほんと…初恋…なんだけどね。
自分の小学生ん時から、30年は過ぎてるんだけど…(苦笑)
なんかねえ…自分が恋に落ちたような…そんな感じを思い出す…
思い出すんじゃないな…今、恋に落ちた気分になるような、
そんなショートムービーでしたねえ~。

そうそう、驚いたのがお母さん役がキョンキョンっ!
最初しか登場しないけど、結構、いい感じでしたね。
まさか、浜省のライブでキョンキョンを見るとは思わなかったな…(笑)
ただ、ヒロインのコに「A PLACE IN THE SUN」を解説させるのは、
浜田さん…ちとやり過ぎじゃないじゃないですかあ~?
って思ったけど、それを差し引いてもいいムービーでしたよ。

このショートムービーが終ると、「初恋」の演奏が始まるんですよね。
ムービーもよかったし、この曲はめちゃめちゃ好きなんだけど、
この流れは、ちといただけなかったなあ~。
「2005」のセンターステージで聴いた「初恋」がよかっただけに、
今回も、さらっと演奏した方が、この曲のよさが出る気がしました。
浜省の意図はわかるんだけど…なんか流れがね…

でも、「初恋」の演奏はすごくよかったですねえ~。
曲のラスト近くで、ビートルズの「NOWHERE MAN」のフレーズが
出てくるけど、ライブではきっちりボーカル付きで演奏してくれました。
コーラスワークもすごくよくて、満足でしたねえ~。

あ~今日もこれしか書けなかった…(苦笑)
書きたいシーンがどんどん思い出されて困ります~(苦笑)

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2006年11月 3日 (金)

浜田省吾 ON THE ROAD 2006-2007“My First Love is Rock'n'Roll”/ 2006.11.2(木)岩手県民会館 /scene3「A PLACE IN THE SUN」

Pb033030 オープニング。浜省のライブでは恒例のスクリーンの映像。
その後ろから聴こえてきた歌声…「A PLACE IN THE SUN」…
もちろんスティービー・ワンダーのカバーです。
「HELLO ROCK & ROLL CITY」で、
「はじめて歌ったR&B」として歌われているナンバーです。

まさか…カバー…しかも、この曲からスタートするとは予想外でした。
このナンバーは、浜省の野外ステージのタイトルでもありますし、
デビュー30年の浜省の、まさしく、ルーツ・ミュージック…
ツアータイトル「MY FIRST LOVE is ROCK'N' ROLL」に、
あまりにはまり過ぎてる…そんなオープニングでしたね。

このミディアムテンポのスタートが、すごく心地よかったですね。
「光と影の季節」「HELLO RCK & ROLL CITY」
「この夜に乾杯」「旅立ちの朝」「二人の絆」
たたみかけるような序盤の選曲も、よかったですね。
「HELLO MORIOKA CITY」って…歌われるとたまらないです。
あ~俺の街に帰ってきてくれたんだ…そんな感覚になるよねえ~。

「MY FIRST LOVE」からの「旅立ちの朝」もうれしかったですね。
俺の中では、この曲って「壁に向かって」とか「今夜こそ」とか、
そんなR&Bベースの最も浜省らしい曲なんですよねえ~。
決してハッピーな状況じゃない歌詞なんだけど、
屈折した前向きっていう…浜省らしいナンバーですよね…(笑)

MCもすごくリラックスした感じでしたね。
福島からの新幹線の車窓の景色が素晴らしかったったとか、
町支と古村が、わんこそばにいった話しとか。
しかし、盛岡にしょっちょう来るミュージシャンでも、
いまだにわんこそばに行くんですねえ~(笑)
古村の69杯には笑ったけど…絶対、狙っただろう~(笑)

この後、椅子に腰掛けてのナンバーが続くんですが、
「MY FIRST LOVE」からの「誰かとどこかで」を演ってくれました。
本人も「ビートルズやデイブ・クラーク・ファイブのような
リバプールサウンドをイメージした曲です」って言ってたんだけど、
サウンドも、曲全体のタッチも、俺のツボ中のツボでしたねえ~。
長田が弾いてたギターってリッケンバッカーだと思うんだけど、
なんていうかな…すごく気持ちいい時間でしたねえ~。

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浜田省吾 ON THE ROAD 2006-2007“My First Love is Rock'n'Roll”/ 2006.11.2(木)岩手県民会館 /scene2「家路」

この夜の俺の席は、3階右7列10番。
岩手県民会館の3階席はかなり高いんですよ。
でも、この日の席は左右に張り出している座席。
思ったよりもステージに近い気がしました。
メンバーもよく手を振ってくれたりするしね。

この席がよかったのは、前にさえぎる人がいないこと。
ほんと…目の前はステージなんですよ。
それに1階席のみんなが盛り上ったり、
階下に広がるきれいな照明がよく見えるんですよ。
すごく…贅沢な席だったと思います。
その3階席ならではの“魔法”があったんですよ…

ライブの後半、「初恋」「勝利への道」
「土曜の夜と日曜の朝」「Thank you」「I am a father」
そして「J.BOY」と、たたみかけるようなナンバー…
ほんと…これでもかって感じでしたね。
バンドのグルーブも絶好調でしたしね。
そして、本編最後の曲…「家路」…

以前、書きましたが、特に思いいれの強い曲です。
え~忘れもしない…「ON THE ROAD'85」
俺が19の時の…ここ、岩手県民会館です。
すごくいい席で、確か1階7列ぐらいのド真ん中でした。
このライブで、はじめて「家路」を生で聴きました。
16の冬、アルバム「HOME BOUND」を聴いて、
稲妻が走った俺
が、特に好きだった曲です。

「家路」のイントロが流れた時の感動…
今でも覚えてます。
「ON THE ROAD'85」の本編ラスト近くでした。
前の曲がバラードでみんな座ってたんですよ。
「家路」はピアノひとつで静かに始まるんですが、
途中からドラムとギターがガーンと入るんです。
レコードでは、スティーブ・ルカサーが、
凄いギターのフレーズを弾いてるんですよ。

この日のライブ…俺、その曲調が変わった時、
何の迷いもなく立ち上がったんですよ。
みんな、ここで立ち上がるんだって…思ってました。
でもね…立ち上がったのは…俺ひとり…
前も、隣りも、後ろも…誰も立ち上がりませんでした…

ひとりで目立とうと思ったわけでもなく、
ほんと…無意識に立ち上がったんだけど…
なんか…孤独な感じ…俺だけ浮いてる…
そんな感じで…この長い曲をひとり聴いてました…
今思えば、頭が真っ白になってたんじゃないかな…

次の日かな、大学の同級生の女のコ、
結構かわいいコで、年上の彼と観に来てたらしいんだけど
「あんな曲でひとりで立つなんてセンスない」って言われてね、
なんか、ひどく落ち込んだのを覚えてます。
俺って…ロックとか聴くセンスないのかな…なんてね。

でもね…やっぱり後ろで観てた友達がね、
「おまえが立ってしばらくしてな、
後ろで何人か立ち上がったんだよ。
あの人達を立たせたのは、おまえだよ」って…
それで救われたような気がします。
そう言ってくれたのは、j1やヒーカズだけどね。
覚えてるか?…ほんと…救われたんだよ…

そして今夜の「家路」…
ここ、岩手県民会館で21年ぶりに聴いた「家路」…
3階席から…俺は…あの時の…
19の俺を…探してたんだよね…
階下に…確かにいたんだよ…あの時の俺が…
19の時の…俺が…

浜省を気取って、黒いノースリーブのTシャツ着て、
髪を伸ばして…似合わないバンダナを巻いて…
でもね…あの時と違って、みんな立ち上がってるんだよ…
「RE2O…よかったな…おまえひとりじゃないよ…」
なんか…あの時の自分に語りかけてるような…
そんな気がしました…

あの日、舞い上がって耳に残らなかった「家路」…
苦い想い出のような情景しか残らなかった「家路」…
その「家路」を21年経って、取り返したような…
そんな気がしました…

「家路」…ますます特別な曲になりました。

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2006年11月 2日 (木)

浜田省吾 ON THE ROAD 2006-2007“My First Love is Rock'n'Roll”/ 2006.11.2(木)岩手県民会館 /scene1「ラストダンス」

2度目のアンコール、「君と歩いた道」…
ステージの後ろに映し出されるフィルムの映像に、
これまでの自分の歩いてきた道…
これから自分が歩いてく道…
親父とおふくろが歩いてきた道…
そして、今夜の…そう…魔法のような夜…
そんな思いが溢れ出そうになりました。

でも…その後、演奏してくれた「ラストダンス」…
83年からずっと浜省のライブを観てきて、
今まで2度…聴いたことがあります。
91年のみちのく湖畔公園と、05年の仙台グランディー。
でも…ここ…岩手県民会館で聴いたのははじめて。

ここで…聴けた「ラストダンス」…
ミラーボールの無数の明かり…
吹雪なんだけど…あったかい…
そんな“魔法”に包まれてるような…時間でした。
何度も何度も鳥肌がたつ感じでした…

俺…この夜に出逢うために、
“浜田省吾”を聴き続けて来たんじゃないかな…
大げさじゃなく…そんな風に感じた夜でした。
ほんと…素敵な夜でしたよ。

って…アンコールしか書けないや…
何夜連続になるんだ…(苦笑)

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